ネットワーク上で同じ IP アドレスが設定されたコンピュータが複数存在すると IP アドレスが競合し、ネットワークに接続できない。この場合、通常はコンピュータ側で競合を検知し、何らかのメッセージを表示する。
Windows 2000/XP/2003 では、システム起動時に次のようなメッセージが表示される。
Windows - システムエラー |
ネットワーク上の別のシステムと競合する IP アドレスを検出しました。ローカルインターフェイスは無効です。詳細については、システムイベントログを参照してください。 |
または、次のように表示される。
Windows - システムエラー |
ネットワーク上の別のシステムと競合する IP アドレスがあります。 |
Windows NT の場合は、次のように表示される。
システムプロセス - システムエラー |
システムは、ネットワーク上の別のシステムと競合する IP アドレスを検出しました。ローカルインターフェイスは無効です。詳細については、システムイベントログを参照してください。この問題を解決するには、ネットワーク管理者に相談してください。 |
これらのメッセージが表示された場合、システムログには次のイベントが記録される。
種類 | : | エラー |
ソース | : | Tcpip |
イベント ID | : | 4198 |
説明 | : | IP アドレス XXX.XXX.XXX.XXX とシステムネットワークハードウェアアドレス YY:YY:YY:YY:YY:YY が重複しているのを、検出しました。ローカルインターフェイスは無効になりました。 |
また、IP アドレスを手動で構成した場合には次のようなメッセージが表示される。
Microsoft TCP/IP |
今構成された静的 IPアドレスは、既にネットワーク上で使われています。別の IP アドレスに構成し直してください。 |
Windows 98/Me では、システム起動時に次のようなメッセージが表示される。
Windows |
IP アドレス XXX.XXX.XXX.XXX は、ハードウェアのアドレスが YY:YY:YY:YY:YY:YY に設定してあるシステムと競合していることが、検出されました。インターフェイスは使用不可にされています。 |
この状況ではネットワークインターフェイスの状態が無効になっているため、IP アドレスを確認すると 0.0.0.0 と表示される。Windows XP/2003 のネットワーク接続状態画面では、「アドレスの種類」に「無効な IP アドレス」と表示される。
IP アドレスはネットワーク上でユニークである必要がある。上記症状が発生した場合は問題となっているコンピュータを特定し、IP アドレスの設定に問題がないか確認する必要がある。
原因としては、以下のケースが考えられる。
・ | 手動で構成した IP アドレスの設定ミス | |
− | 他のコンピュータに割り当てられた IP アドレスを割り当て | |
− | DHCP 環境で DHCP スコープ内の IP アドレスを割り当て | |
・ | DHCP サーバーの設定ミス | |
− | DHCP スコープの設定ミス | |
− | スコープの重なる DHCP サーバーの併存(既に DHCP が立っている環境に別の DHCP が立っている) | |
・ | DHCP サーバーの動作不良 |
○ 対処方法
クライアント側の設定に問題がある場合は、状況に応じて以下の対処を行う。
・ | 手動で IP を構成している場合 | |
− | IP アドレスを他のコンピュータと重複しないアドレスに変更する | |
− | DHCP 環境の場合は IP アドレスを自動取得するよう変更する | |
・ | DHCP からアドレスを取得している場合 | |
− | IP アドレスを再取得する |
DHCP サーバーに問題がある場合(クライアント側の設定に問題がない場合)は、DHCP サーバーの設定を確認する。または、クライアント側で DHCP サーバーのアドレスを確認し、正しい DHCP サーバーからアドレスを取得できているか確認する。