ping コマンドは、TCP/IP の IP レベルでの通信ができているか確認するツールである。実際には、ICMP パケットを送信し、相手側からの返答状況を結果として返す。ほとんどの環境が TCP/IP を使用している状況では、ネットワークの物理的な通信ができるかどうかを確認するための、トラブルシュートにおける基本操作となる。
○ 操作方法
1. | コマンドプロンプト(または MS-DOS プロンプト)を開く |
2. | 「ping」と入力し、後述のオプションをつけ、[Enter]キーを押す |
書式は以下の通り。
ping[ -t][ -a][ -n 試行回数][ -l パケットサイズ][ -f][ -i TTL][ -v TOS][ -r ルータ個数][ -s ルータ個数][ -j ゲートウェイリスト][ -k ゲートウェイリスト][ -w タイムアウト時間] 確認対象先ホスト名|確認対象先 IP アドレス |
各オプションの意味は以下の通り。
-t | パケットの送受信を無限に繰り返す(停止する場合は[Ctrl]+[C]キーを押す) |
-a | 指定された対象先ホストが IP アドレスであった場合には、ホスト名に解決して表示 |
-n | パケット送受信回数(試行回数)の指定 |
-l | パケットのデータ部サイズの指定(既定: 32 バイト) |
-f | IP パケットの分割(フラグメント)禁止 |
-i | パケットの TTL(Time To Live)の指定 |
-v | パケットの TOS(Type Of Service)の指定 |
-r | IP パケットのオプション部(Route Recording)に経由したルータのアドレスを記録(最大9個) |
-s | IP パケットのオプション部(Time Stamping)に経由したルータのアドレスと時間を記録(最大4個) |
-j | 経由先ルータのアドレスの指定(最大9個)。指定しないルータも通過可能 |
-k | 経由先ルータのアドレスの指定(最大9個)。指定しないルータは通過しない |
-w | タイムアウト時間(単位: ミリ秒) |
○ 主な確認対象先
主な確認対象先としては、以下のようなものがある。
確認対象先 | 確認目的 |
---|---|
目的のコンピュータ(ホスト) | コンピュータ(ホスト)までの間の通信状況 |
デフォルトゲートウェイ | デフォルトゲートウェイ(直近のルータ)までの間の通信状況 |
DNS サーバー | DNS サーバーまでの間の通信状況
DNS サーバーアドレスの正誤 |
目的の Web サイトのアドレス(http:// 等以下) | 目的の Web サーバーまでの間の通信状況
※最近の Web サーバーは Ping 通信を許可していないところが多い |
ローカル(操作しているコンピュータ) | ネットワークアダプタ(NIC)の動作状況
IP アドレス構成情報の正誤 |
ループバック(アドレス: 127.0.0.1/ホスト名: localhost) | TCP/IP スタックの動作状況 |
【参照】 マイクロソフト 技術情報 217014 / 814155
@IT Master of IP Network 「ping」
ITPro ネットワーク・コマンド道場 「ping コマンド」
Windows FAQ.